Lot No. TT15230-128 / Mid 1940s Style Wool Gabardine × Acetate Souvenir Jacket “KOSHO & CO.” Special Edition “YOKOSUKA DRAGON” × “JAPAN MAP”

TEXT：　テーラー東洋企画総括・スカジャン研究家松山達朗（TATSURO MATSUYAMA）

2022年11月より、横須賀美術館にて開催される「PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展」のメインビジュアルとなる本作。戦後間もない1946年、横須賀基地に駐留していた米兵によるカスタムオーダーのスーベニアジャケットである。眼を見開き天に昇る龍の絵柄は現在までにこの1着しか発見されておらず、スカジャンの歴史の中でも最初期に作られた貴重な作品。ダークネイビーの表地は、ヴィンテージをもとに再現したウールギャバジン。他のスカジャンとは一線を画す非常に手間のかかった作りが特徴で、何重にも刺繍を重ね、龍の角や鬣、鱗などの模様や質感が緻密かつ立体的に表現されている。

小ぶりで珍しい書体で「YOKOSUKA JAPAN」と記された表面に対し、リバーシブル面はジャパンマップの上部に「YOKOSUKA」下部に「JAPAN」表記の特殊なデザイン。生地はブラックのアセテート。横須賀は海軍の軍港であることから、日本地図や富士山の刺繍とともに NAVY BASE を象徴する龍、駆逐艦、そして鷲ではなくカモメが描かれている。もととなったヴィンテージは片面の仕様だが、テーラー東洋のスペシャルエディションである「港商」のネームで本作を再現するにあたり、スカジャン最大の魅力のひとつであるリバーシブル仕様へと落とし込み、復刻を果たした。